工場の設備機械はその多くが電気を使って稼動しています。その中でもエアーコンプレッサの電気使用量は一般的な工場全体で20~30%を占めるといわれています。
例えば出力37kWのスクリュコンプレッサ(標準型)の電気料金は、年間320万円*にもなります。
この費用を設備の改善や更新によって半減する事も可能です。省エネルギー、コストダウンの実現にはエアー環境の改善、更新が一番の近道です。
*エアーコンプレッサの消費空気率を70% 年6000時間 電気料金を15円/kWhとして計算しています。ただしモーター効率は考慮しておりません 。
工場の機械が稼動せず、エアーコンプレッサのみが運転しているとき、工場内で「シューッ」という音がしていると思います。その音がエアー漏れです。
たとえばエアー漏れの穴の直径が1mmだった場合、そのエアー漏れの量は72L/min(圧力0.69MPa時)になります。同じような漏れ箇所が10個あったとき、そのエアー漏れ量の合計720L/minは出力5.5kWのコンプレッサの吐出し空気量に相当します。
つまり圧縮空気を大気に放出することのために出力5.5kWのコンプレッサ1台を無駄に運転していることと同じことになります。
ちなみに5.5kWのコンプレッサを1年間(365日×24時間)運転し続けるとその電力費は約70万円になります。
エアー漏れ修理例 ~ バルブのハンドル部分、ホースにピンホールがあったため取替
エアーを使用している機械の必要圧力が0.50MPaでよいのに対して、コンプレッサの吐出し圧力が0.69MPaのとき、その圧力差が無駄になっているときがあります。
こんなときは、コンプレッサの設定圧力を下げて消費電力を下げることが出来るかもしれません。
一般的にコンプレッサの設定圧力を0.10MPa下げると電力量を約8%下げるとことになるといわれています。
ほとんどのコンプレッサは常に一定に動いているわけではありません。エアーの使用量が少なくなると負荷を軽くしたり、自動で停止します。
しかしスクリュコンプレッサ(標準機)の場合、エアーを50%しか使用していない状態でも電力比では85%を消費しています。つまりコンプレッサ全能力の50%のエアーを圧縮するために85%もの電力を使っているのです。
この無駄な運転をインバータ式など工場のエアー使用状況に適した運転方式のコンプレッサに更新する事により、電気代を下げることができます。
工場の設備機械は多種多様にあります。そのなかでもエアーに関係する機械が最も多いのではないでしょうか。その機械が稼動しているから大丈夫といってそのままにしておくと様々な問題が…。
エアーコンプレッサを例に具体的にご説明いたします。
油劣化の例 ~ セパレータエレメントやオイルタンクに潤滑油劣化物が付着しています